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認知症とは?

家族が認知症

「認知症」は、脳や身体の病気が原因で一度出来上がった知能が、一時的ではなく持続的に低下するれっきとした病気です。

 

高齢者だけに多いとか、一度なったら直らないという事ではなく、若い人でも認知症になりますし、原因によっては元に戻ることもあります。


認知症が疑われる時とは?

下記の表は1995年の調査で家族が最初に気付いた変化を挙げたものです。重要なことは一年前まではこのような事は全く無かったのに、最近目立った変化があるかどうかです。

 

例えば、鍋を焦がす・水道の栓を閉め忘れる・買い物に行く度に同じものを買ってくる・薬を飲み忘れるといった様々な変化が出てきます。このような変化に気付いたときは直ぐに受診しましょう。

 

どんな医療機関で診てもらえるかは認知症についてのサイトで検索出来ます。また、市区町村の高齢者福祉担当窓口や、地域包括支援センターでも教えてもらえます。

表 日常生活上の変化(認知症初期段階)
●同じ事を何回も言う、尋ねる
●話が少し複雑になると理解できなくなる
●同時に2つ言っても1つしか伝わらない
●話の中身がまどろっこしくて何を言いたいのか不明
●身の回りに無頓着になった
●自分から動こうとしない
●段取りや計画を立てる事が不得意になった

認知症と診断されたら

認知症と診断された場合、その原因が問題になります。認知症は70種類以上の原因となる病気で起きますが、高齢者ではアルツハイマー型認知症が一番多く、2人に1人以上の割合です。

 

次に多いのが脳血栓や脳出血のあとに起きる血管性認知症です。前者の予防法はまだありませんが、後者は脳梗塞や脳出血などを起こさないようにする事で予防できます。

 

前者は医学的に治療する(認知症の進行を遅らせる)ことが出来ます。つまり、出来るだけ早い段階で受診して診断してもらい、治療を始めた方が良いという事になります。

 

認知症の程度が軽ければ、本人に病気について説明することが出来ますし、将来のことを考えて、生活をどのようにすれば良いかなどを相談することも出来ます。このことがまさに早期診断の最大の意義と言っても良いでしょう。

 

普段の生活に援助が必要なら介護保険のサービスを利用できます。認知症の人を専門にしたデイサービスなどもあります。家族の負担軽減も出来ます。

 

財産管理などに不安があれば、成年後見制度の活用を検討しても良いでしょう。

認知症の人に対する接し方

まず、認知症は病気であると正しく理解することが最も大切です。最初のうちは病気でアルツハイマー病と診断されても受け入れられないでしょう。

 

しかし、病気であることを理解して、受け入れることが出来れば、むやみに本人のモノ忘れを訂正しようとしたり、間違いを注意したりすることは意味がないだけでなく、本人の不安感を増すだけだということが分かってくるでしょう。

 

認知症の人に対し、出来なくなったことや、忘れやすいことを訓練したり、指摘することはかえって本人の自信を失わせる結果になってしまいます。

 

出来ないことについ目がいきがちですが、本人が出来ることを探すようにしましょう。