実践できる介護予防の取り組みを考えよう!始めよう!介護予防、続けよう!介護予防。

定年後の働き方

わが国では「生活」や「生きがい」のために、定年後も働き続けうることを希望する人は少なくありません。定年後の働き方や行政の支援にはどのようなものがあるのでしょうか?

定年後も同じ企業で働き続ける

介護予防 老後の仕事

高年齢者雇用安定法の改正により、2006年4月以降、企業は原則希望者全員に65歳までの雇用確保を行うことが義務付けられました。(ただし、年金支給開始年齢の引き上げスケジュールに沿った、段階的処置が設けられている)

 

企業の多くは、社員が60歳の定年でいったん退職し、新たに企業と雇用契約を結ぶ「再雇用制度」を導入していますが、再雇用後は処遇や勤務形態が定年前のものから変更されるケースが大半です。

 

また、再雇用の際に健康や勤務成績などの面で基準が設けられている場合もあります。


定年後の再就職を目指す

一方、定年後に再就職を目指すという選択肢もあります。そのためには、早めに定年後の職業生活を設計し、準備を行うことが大切です。

 

国は各都道府県に高齢期雇用就業支援コーナーを設置し、在職者を中心とする中高年齢者(おおむね45歳以上)や定年前後の在職者を対象に、今後の就業生活の設計や能力開発、退職準備についての個別相談やセミナーを無料で行っています。

 

また、都道府県のシルバー人材センター連合会では、主に60歳代前半の求人者を対象に、技能講習や合同面接会等を実施するシニアワープロプログラムが実施されています。

60歳代前半の就労と社会保険

なお、60〜64歳で厚生年金に加入し、働きながら年金を受給する場合、年金月額と賃金の合計額に応じて年金が減額される場合があります(在職老齢年金)

 

一方、60〜64歳で雇用保険に加入して働く人の賃金が60歳到達時点の賃金の75%未満に低下する場合、雇用保険から高年齢雇用継続基本給付金が支給されることがあります。(表)

 

このように、60歳以降の働き方を検討するうえでは、会社からの賃金のほか、公的給付を考慮することが必要になります。

 

ただし、定年後に自営業者として独立する場合や、厚生年金や雇用保険に加入せずパートとして働く場合は、雇用保険からの給付は行われませんが、年金が減額されることはありません。

表 在職老齢年金と高年齢雇用継続基本給付金
在職老齢年金
「概要」
60〜64歳の特別支給の老齢厚生年金の受給権者が、厚生年金に加入し働く場合、賃金(賞与を含む)と本来受給できる年金の合計額に応じ、年金の一部または全部の支給を停止
「支給停止のしくみ(60〜64歳の場合)」
賃金+本来受給できる年金額の合計(月額)
28万円以下 ⇒ 支給停止なし
28万円以上 ⇒ 賃金や年金額に応じて年金の一部または全額を支給停止
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
高年齢雇用継続基本給付金
「概要」
60〜64歳の雇用保険に加入して働く人の賃金が、60歳到達時賃金の75%未満に低下した場合、60歳以降の賃金の減額幅に応じて支給
「支給額」
60歳以降の賃金
60歳到達時の賃金の61%未満⇒60歳以降賃金の15%相当額を支給
61%以上75%未満       ⇒15%以下の定められた支給率による額を支給

 

余暇とのバランス

全国の市区町村に置かれているシルバー人材センターを通じ、地域のために働くことも一案です。同センターでは、おおむね60歳以上で、健康で働く意欲のある人に地域社会に根ざした臨時的で比較的軽易な就業機会を提供しています。

 

ここでの仕事は生活を保障するものではありませんので、余暇とのバランスを取りながら、地域社会に貢献したい人に適しています。