年金だけでは家計は赤字
総務省が毎年行う家計調査によると、高齢無職の2人世帯、いわゆる年金暮らしをしている家族の家計は平均で毎月約5万4000円の赤字になっています。(表)
現在、すでに年金をもらっている世代は、年間で65万円ほど貯金を取り崩していることになります。これが80歳まで続くとすれば、現在65歳の人で約1000万円の貯蓄が取り崩される見通しで、仮に100歳まで生きるとすれば、約2300万円の貯蓄が必要になる計算です。
なお、この額には、車の買い替えやリフォーム資金、旅行費用といった贅沢支出は含まれていません。
表 年金生活2人世帯の家計費(月額) 単位:円
@収入 225,000
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住居費 ・・・17,000
水道光熱費 ・・・21,000
食費/日用品 ・・・71,000
衣料費 ・・・8,000
交通通信費 ・・・26,000
教養娯楽費 ・・・27,500
交際費 ・・・31,000
保険医療費 ・・・15,500
税金/社会保険・・・31,000
その他 ・・・31,000
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A支出 279,000
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赤字の額(@-A)△54,000
2007年総務省統計より
年金見込み額で生活してみる
あと数年で年金生活に入るという方は、年金見込み額を調べて、その額でくらしたらどんな生活になりそうか、試しに実践してみては如何でしょうか?節約生活に慣れることが年金暮らしへの不安を減らすことに繋がります。
現在の支出が多く、年金見込み額だけで暮らすのは難しいという人は、持っている資産のリストを作り、将来の資金計画について収入と支出の見積りを立てます。
その上で、資産の有効活用を考えたり、年金以外の収入が得られる方法を早めに探すことが必要でしょう。
若いうちから老後に備える
若いうちはあまり深く考えず、口座や財布にあるお金を全部使ってしまう人もいるようです。老後・長寿に備えるなら、毎月の給料から天引きで財形貯蓄をするとか、給料日に必ず積立をすることは欠かせません。
積立を利用すれば貯蓄が習慣になり、確実にお金が貯まるだけでなく、ムダ使いを防止する効果も期待出来ます。
そして、お金が貯まったら投資などでお金を増やす「運用」にチャレンジするのも良いでしょう。
年金に長く加入する
世間を騒がせている納付記録モレや、少子高齢化などにより、年金制度の存続が心配されています。しかし、障害者や遺族に支給される年金もあり、大切な社会保障制度であることは間違いありません。
国民年金保険料を払うべき人が払わないのは法律違反ですし、パート勤務などで給料から保険料が引かれ手取り額が減るからといって、勤務時間を調整して厚生年金に加入しないのは賢明ではありません。
厚生年金は一ヶ月でも長く加入すれば、その分だけ将来の受取額が多くなるしくみになっています。今後はパートタイマーにも厚生年金に加入することになりそうです。
目先の保険料よりも、将来の年金を重視することが老後・長寿に備える対策として有効になるでしょう。